イタリアンパセリ

前回の記事イタリアンパセリの栄養価・成分・効能を紹介しました。素晴らしい栄養価・成分を含むイタリアンパセリをたくさん摂取するには?ということで今回はイタリアンパセリの栽培方法について紹介します。ズボラに育ててもたくましく生長するハーブですが、冬場の管理は迷うかと思います。トンネルをかける、プランターを室内に移動させるなどといった対策をするべきかどうか。その辺りに対しても詳しく解説していきます。栽培のポイントはズバリ、湿度について意識をすることです。
では順に説明していきます。

参考:【冬越し可能】バジルの育て方 種まきから増やし方までわかりやすく解説! 

イタリアンパセリの育て方 プランター編

プランターの大きさ

イタリアンパセリをプランターで育てる場合、どんな大きさのものでもうまく育ちます。プランターの大きさとイタリアンパセリの草丈は比例するので、一株でたくさん収穫したい場合は大きいプランターを選びましょう。反対に、キッチンのちょっとしたスペースでイタリアンパセリを育てたい場合は、手のひらサイズの鉢でも十分育ちます。小さい鉢だと量は取れませんが、柔らかく育つため、サラダやちょっとした彩りとして使うにはちょうど良い大きさに育ちます。

日当たり

イタリアンパセリは日なただけではなく、日陰でも育ちます。強い日差しや高温に弱いので、夏場は風通しの良い、日陰か半日蔭の場所で育てましょう。ただ、湿度には注意してください。日差しがないところだとどうしても湿度が上がりがちです。湿度が上がりすぎてしまうと虫や病気が発生してしまいます。日陰でかつ風通しの良いところで育てましょう。

培養土

培養土は特に選びません。種から育てる場合、イタリアンパセリの種は水分をかなり要求するため、あまりサラサラ過ぎない土のほうが水持ちが良いので発芽させやすいです。苗を定植して育てる場合、水はけがよいに越したことはないですが必ずしもサラサラ土壌が良いということではないです。自分の水やりなどの管理のペースに合わせて培養土の種類を選択しましょう。

イタリアンパセリの育て方 畑編

日当たり

プランター編と同様、イタリアンパセリは半日蔭でも育つため、場所選びはシビアにならなくてもOKです。ただ、過湿には気を付けましょう。

土壌

イタリアンパセリは土壌によって顕著に味が変化します。サラサラ土壌の畑で育てると、草姿がシュッとして、サラダで楽しめる味わいになります。粘土質の畑で育てると、味がしっかりと乗るためソースや細かく刻んでアクセントとして利用するとおいしくいただけます。自分の畑で砂地の場所と粘土質の場所があれば一度試してみると面白いです。

 

 

種まき

イタリアンパセリの種は発芽率がやや低い、デリケートな種です。そのため種まきの時期には気を付けましょう。種まきは春(3月~5月)と秋(9月~10月)の年2回、行います。暑すぎたり寒すぎたりすると発芽率がぐっと下がってしまうので種まき時期には気を付けましょう。イタリアンパセリはセリ科の好光性種子と言われる、光を好む種です。そのため種をまいた後に上から被せる覆土は種が隠れるくらいの薄めでOKです。イタリアンパセリを種から育てるのは発芽率が低いことから少し大変と感じる方もいるかと思います。そんな方はホームセンターなどで苗を購入し、苗から育てる方法もありますが1点頭に入れておいてほしいことがあります。それはイタリアンパセリの根っこのタイプは直根と言ってニンジンや大根と同じタイプの根っこということです。そのため、できれば種を畑に直まきする方が、根っこへの負担は少ないです。なお、挿し芽でも増やせるとの記事をたまに見かけますが、確かにできないことはないですがかなり難易度が高いのでおすすめしません。

 植え付け・植え方

イタリアンパセリは株間20㎝以上確保しましょう。根っこが横に広がるよりも縦に深く広がるため、株間は狭くても十分育ちます。少し狭めに植えると地上部が縦に伸びようとするため、柔らかい茎に育ちます。

苗選び

イタリアンパセリの苗を購入する際には苗選びに気を付けましょう。苗は若めのもので新芽にしっかりと色が乗っているものを選びましょう。イタリアンパセリは直根のため、種をまいてから時間がたった苗は植える時に地面と活着しにくいです。若い苗だとスムーズに活着するため、できるだけ若いものを選びましょう。

肥料

イタリアンパセリへの肥料は元肥に化成肥料または堆肥を与えるだけで十分です。イタリアンパセリは肥料を吸う力が強いので、肥料をあげすぎるとすぐに葉っぱが濃い緑色になり、固くなってしまいます。生育中に緑色が薄い、葉っぱが小さいと感じたときに液体肥料で追肥しましょう。

風通し

イタリアンパセリは乾燥にも加湿にも弱いデリケートな野菜なので水の管理と風通しの管理にも注意が必要です。特に畑で栽培する場合は収穫しないとすぐに茂ってしまうので、こまめに収穫するかあらかじめ広めに株間をとりましょう。また、栽培期間中に雑草が茂ってきて、雑草にのまれて溶けてなくなるなんてこともあるので注意しましょう。

イタリアンパセリの増やし方 

イタリアンパセリを増やす方法は花を付けさせて種を採る方法があります。種をたくさんつけ、増やしたい場合は畑に直接植えるか大き目のプランターで育てましょう。根っこの張る面積が大きいほど、付ける花の数も多くなります。

イタリアンパセリの病気・害虫

イタリアンパセリの病気はうどんこ病があります。放っておくと株全体が枯れて畑全体に蔓延してしまうので注意しましょう。

害虫はキアゲハの幼虫に特に注意しましょう。つぶすと強烈なにおいを放つヤツです。春先に現れ、2、3日で畑一体を食べきってしまいます。見つけ次第、早めに対処しましょう

イタリアンパセリの収穫時の注意点

種まきから2~3か月ほどたつと収穫が始まり、そこからは一年を通じて収穫ができます。若くて柔らかい葉っぱを収穫しましょう。また、株が老化してくると花が咲きます。この花も香りが良いので一度食べてみましょう。花を咲かせると種を付け、その生命を終えます。まだ収穫をしたい場合はつぼみを早く摘み、花を咲かせないようにしましょう。

イタリアンパセリの栽培のよくある失敗

イタリアンパセリの失敗は3点あります。
活着不良
害虫
肥料過多
です。
まず活着不良ですがイタリアンパセリは基本的に移植されるのが苦手です。また、定植時期と梅雨時期などの雨が続く日が重なると加湿により腐ってしまいます。定植するときは週間の天気もチェックしましょう。次に害虫です。イタリアンパセリをはじめセリ科の野菜が大好きな虫が付きます。キアゲハの幼虫です。刺激を与えるとオレンジ色の角を伸ばし、独特の異臭を放つアイツです。
キアゲハの幼虫は体が大きいので、1日2日で一気に食べつくされることもあります。注意しましょう。
最後に先ほども書きましたが肥料過多にも注意が必要です。葉っぱの生える勢いが弱いと肥料をあげたくなるかもしれませんが、基本的には光合成量(=葉っぱの総面積)で株を大きくしていくイメージを持ちましょう。そのため、生えてくる葉っぱの量だけではなく、生えてくる勢いにも日々注目して葉っぱがたくさん生えていても最近勢い弱いなぁ、と感じたら収穫を止めることも大切です。

まとめ

 

前回の記事イタリアンパセリの栄養面についても書きました。栄養価が優れていて年中収穫できるハーブなのでぜひ栽培に挑戦してもらいたいです。
イタリアンパセリは肥料や根っこの張りよりも、水はけや繁茂といった湿度に着目して栽培することがポイントです。
始めは難しいかもせれませんがコツをつかんでしまえば簡単なのでぜひ一度イタリアンパセリを育ててみてはいかがでしょうか。

参考:【不老長寿のハーブ】セージってどんなハーブ?効能・効果の紹介