chervil
新米ファーマー新米ファーマー

ちょっとオシャレなレストランのアイスに乗ってるギザギザの葉っぱ、

ミントじゃなくてニンジンの葉っぱみたいなやつ、あれ何ですか?


 園主 園主

あれはチャービルっていうハーブだよ。
今回はチャービルの育て方について解説しましょう。

チャービルのここがすごい!

・1株でもめっちゃ生えてくる
・少量でも香りがいい
・日当たりはどこでもよい

チャービルとは

チャービルとは、「セルフィーユ」や「ウイキョウゼリ」という別名を持つ1年草のハーブです。
ニンジンと同じセリ科のため、本葉がギザギザの葉っぱなのが特徴です。
柔らかい葉っぱや茎を食用にし、白くて小さい花を付けます。
この”セリ科”ということが栽培をする上でのポイントになってきます。
それでは、順に解説していきます。

チャービルの育て方

チャービルの栽培カレンダー
chervil harb

日当たり

チャービルは半日蔭を推奨されていますが、日当たりの良いところでも育ちます。

日当たりが強すぎると葉っぱや茎がやや肉厚で辛みが強く育つので、マイルドな味に育てたいのなら日陰~半日蔭の場所をおすすめします。

チャービルは発芽にはかなり水を必要とします。

チャービルだけに限らず、セリ科の野菜すべて共通する特徴ですが発芽まで時間がかかる、発芽まで水を切らさないようにしなければいけない、

この2点に気を付けましょう。

そのため、種から育てる場合は水持ちの良い培養土を選び、育苗ポットや鉢は底の深いものを選びましょう。

底の深いものだと培養土はたくさん必要ですが、長い時間水分を保持することができるので水やりの回数を減らせます。

種まき

チャービルの種まきは3月~5月、10月~11月に撒きます。

1月、2月ごろに撒いてしまうと、その年の5月ごろに花を付けてしまうので早撒きにはご注意ください。

人間の感覚で過ごしやすい時期に種をまく、と覚えましょう。

植え付け・植え方

種まきの時期が苗の定植時期です。

定植は真夏と真冬を避ければ問題ないです。

また、真夏・真冬という厳しい環境を乗り越えるため、それぞれの時期までにある程度立派な苗、本葉4~5枚ほどのものまで育つように意識しましょう。

最近は春・秋になると、ホームセンターの苗コーナーにチャービルが並んでいます。

チャービルは1株でとても大きく育つので、畑やお庭の隅でちょこっとだけ育てたいという方は袋で種を買うより苗を1つ買う方が良いのかもしれません。
お部屋の片隅に、キッチンハーブとして育ててみたいという方はこちらがおすすめです。

苗選び

seedlings

チャービルの苗を選ぶときは、茎の太さに注目してください。

種まき後、水をやりすぎて育ったものは茎がひょろひょろと、頼りなく伸びてしまいます。

ホームセンターや園芸店にそのような状態のものが結構売られているので注意してください。

ひょろひょろな茎のものは定植後、なかなか地面と活着しにくいです。

茎がしっかりとしていて伸びすぎていない、ずんぐりむっくりなシルエットの苗を選びましょう。

肥料

チャービルは肥料にとても敏感なため、基本的には無肥料でOKです。

少しの肥料でもぐんぐん吸い取ります。

そのため、ちょっと肥料を多く与えてしまうとすぐに生育障害を起こします。

肥料を与えすぎると葉っぱや茎の色が濃くなりすぎてしまう、茎が筋張ってしまう、葉っぱに黒い斑点がついてしまうというような症状が現れます。

ご注意ください。

水やり

種まき時は水やりはかなり注意が必要です。

これはセリ科の宿命ですが発芽までとにかく時間がかかります。

アブラナ科の野菜の場合2~5日くらいで発芽するものが、セリ科は10日ほど、長いものだと20日弱かかってしまいます。

そこまでの期間、しっかりと水やりをしましょう。

また、定植後を日なたで育てる場合、水やりはやや多めにあげましょう。

乾燥して地面が固くなってくると、チャービルも固くなりやすいです。

土がフカフカのところで育てると、日なたでも旺盛に育ち、チャービル自身が自分で日陰を作って育ちがどんどん良くなることもあります。

その場合は完全に放ったらかしでも柔らかく、香りのよいものが育ちます。

総合すると、水やりはやや多めとだけ覚えておいてください。

冬越し

冬は特に対策をしなくても越えます。

生育は遅くはなりますが株そのものが死なないため、春先にまた生えてきます。

チャービルの増やし方

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チャービルは株分けでは増やせません。

増やす場合は種どりをしましょう。

ポイントは花を付けるタイミングまでにいかに株を大きく育てるかです。

花を付けるのは5月ごろなのでそれまでにしっかりと大きく育てましょう。

大きく育てるポイントは暑さ・寒さの盛りである7~9月、12~2月の収穫を控えることです。

収穫をセーブして葉っぱの枚数を確保し、光合成をしやすい状態を保てば自然と大きな株に育ちます。

その後、たくさんの花を付け、さらに放ったらかしにしておくと自然に種が地面にこぼれ、また次のチャービルがどんどんと生まれてきます。

チャービルの病気

チャービルの病気はうどんこ病、苗立ち枯れ病、灰色かび病がありますが、無肥料で育てればあまり病気にかかりません。

肥料を与えすぎ、貧弱に育つと病気になりやすくなります。

基本的にチャービルは無肥料で十分に育ちますので、肥料を与えすぎなければ病気にかかりにくいです。

チャービルの害虫

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チャービル最大の害虫はキアゲハの幼虫です。

刺激を与えると異臭を放ちながらオレンジの角を立ててくるアイツです。

特に春先4~5月に発生するので対策をしましょう。

対策は防虫ネットでしっかりと覆うか農薬の使用をおすすめです。

有機栽培でも使える微生物由来のおすすめの農薬はこちらです。

チャービルの収穫

チャービルは葉っぱ、茎を食べます。

大きく育ちすぎるとすぐに固くなってしまうので食べる時は若い葉っぱを収穫しましょう。

大きく育ってしまったものは収穫せずそのままにして光合成要員として残しておけば次々と若い新芽を付けます。

チャービルの収穫時期・収穫の注意点

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チャービルの収穫時期は定植後2か月後から収穫できます。

真夏・真冬は収穫しすぎると株が弱ってしまい枯れていってしまうことがあるのでほどほどに、過ごしやすい時期の春・秋に収穫を楽しみましょう。

まとめ

チャービル栽培のポイントは
ポイント

・発芽まで水たっぷり
・収穫はほどほどに
・肥料もほどほどに

この3点です。

 園主 園主

チャービルは畑やお庭の隅っこの日陰の部分でも旺盛に育つのでおすすめです。