だから僕は農家をスターにする 書評

【だから、ぼくは農家をスターにする】を読みました。

 園主 園主

この本は農家や食品関係者はもちろん、コミュニティ形成の参考になる本です。


学校や会社のサークル、NPOなどの活動に取り組んでいる人にも必見です。

作者の情報

高橋博之著。
著者の高橋さんは「ポケットマルシェ」創業者です。
ポケットマルシェとは、生産者と消費者をつなげるECプラットフォームサービスです。
そんな高橋さんが農家や生産者にスポットライトを当てるべく生まれた挑戦が「食べる通信」。

▼高橋さんのほかの著書です。

食べる通信とは

食べる通信とは、四半期ごとに発行される読み物です。
特徴はただの章の情報ではなく、付録として野菜や果物がついてくる食べ物付き情報誌です。
いや、正確には野菜に同封される説明書と言いますか、野菜が10倍美味しくなるべく、野菜の裏側や生産者のストーリーがしっかりと書かれているトリセツのようなものです。
これが大ヒット。
高橋さん曰く、食品の価値は単純に味だけでは決まらず、パッケージや背景、ストーリー性で価値が上がるとのこと。
著書のタイトル通り、食べる通信は農家をスターにするための情報誌となっています。

食べる通信の普及戦略

本書のポイント

・生産者と消費者をつなぐ
・CSA
・食べる通信、広がる

野菜そのものではなく、そこの裏の部分や生産者の影の努力にスポットライトを当てる活動は素晴らしいと思います。
CSA(custmer supported agricluture)の考え方も著者らしいと思いました。
ただ、中間流通はあくまでも中間流通なので生産者寄りや消費者寄りではなく完全中立な蛇口の開け閉め役であって欲しいと個人的には思っています。
どちらかによってしまうとそちら側のエゴが常識にされかねないからです。
CSAに関してはオイシックス の一部、大地を守る会に近いものを感じました。
小さなコミュニティや村社会への回帰のような考え方を支持する方なら、ぜひ一度食べる通信をお勧めしたいです。

私が一番感心したのは食べる通信が全国的に広がっていく過程、戦略です。
まるで全国飲食チェーンやコンビニなどのフランチャイズのような、熱狂が熱狂を生む仕組み作りは圧巻です。
NPO系の活動に少しでも関わっている方ならかなり参考になる部分があるかと思います。

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