成功する農業 書評

 園主 園主

今回は【絶対にギブアップしたくない人のための成功する農業】を読みました。


ミガキイチゴのGRA岩佐さん著

作者は岩佐大輝さん。
ミガキイチゴでお馴染み、株式会社GRAの代表です。
新規就農を考え、あれこれと調べている方なら知っているであろう有名人です。
著者はデータ領域でのアグリテック導入で高単価なイチゴをどんどん売って、そのノウハウを余す事なく公開している凄い方です。
農家として凄いことは言うまでもなく、経営者としても認められています。
グロービスの動画によく出ていますよね。
そんな岩佐さんの著書。
同じ農家として悔しいくらい凄い人なのでこの本にはなかなか手が伸びませんでしたが読んでみて驚愕でした。

▼岩佐さんの他の著書

 

農家への質問あるある

この本は農業やってみたいなぁ、どうなんだろうなぁ〜と思っている方の疑問は全て答えてくれています。
実際、いざ農業を始めようと踏み出すと最初に当たる壁があります。
それが経営計画です。
農家になって経営をしていく上で必ず必要なのが5年分の経営計画。
なんか大変そうだなぁ〜
何から手をつけていいのかわかんないなぁ〜
と思っている人、必読です。
経営計画の考え方、計画の仕方から数字の作り方、実際の農家のリアルな数字まで載っています。
私も実際、人の経営計画は見たことがないので、新鮮でした。

農業のリアルなモデルケース

「はじめに」から惹きつけられる要素盛りだくさんです。
・農業をいかにして継続していくか
・巷に蔓延っている就農本は成功談やエッセイばかり
・作者がしてきた苦労を伝えたい
なるほどこちらの警戒感がスッと降りていく「はじめに」
そして本文の内容で惹かれた点は

本書のポイント

・「職業は農家です。質問ある?」
・いざ農業を始めるための計画立て
・モデルケース紹介

 

「職業は農家です。質問ある?」

農業って儲かるの?休みあるの?
JAって悪なんでしょ?
オランダみたいに輸出に力入れるべきじゃない?
などなど。
農業やってるっていうとよく聞かれる質問集が盛りだくさんです。
質問に対してどう論破するか、ではなく、考え方のロジックの作り方や、農業にあまり興味がない人、よく理解していない人にどう伝えるかがわかります。

いざ農業を始めるための計画立て

経営計画。
独立する上では経営計画を考えるのは当たり前なんですけど、普段野菜ばっか作っているから経営って言われると身構えてしまう…そんな方は必見です。
計画を作る上で必要な要素がわかるし、なぜ自分がこの仕事をするのか、何を達成したいかまでしっかりと見つめられます。
本書が営農計画の良い壁打ち相手、伴走者になってくれます。

モデルケース紹介

驚いたのは、離農した人の話を聞いてみたコーナーです。
儲かった話はいくらでもありますが、農家失敗しましたっていう話はなかなか聞く機会がないので。
しかもこの離農話、読めば読むほど離農が英断だなぁ〜と、感じます。
もちろん、現役農家の経営計画が見れるのも素晴らしいですが、この離農した方の話こそが、本書の1番のハイライトだと感じています。

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