土地の確保

この記事は

新米ファーマー新米ファーマー

農業をはじめたいんだけど、土地ってどうやって見つければいいの?

このような疑問を解決します。

 

農家になるための準備

【就農(=農家になる)までの道のり】として、必要なものは3点あります。

農家になるための準備

1.土地の確保
2.経営計画
3.栽培技術

この3点が必要になります。

この記事では

1.土地の確保

にフォーカスをして説明していきます。

経営計画編はこちら

 

土地の確保

 Rent land

土地の確保には2つの方法があります。

紹介をもらうか、自ら地主さんを口説くかです。

まずはハードルの低いかつオーソドックスな方法から紹介します。

 

1.地域の営農センターから紹介をもらう

この場合、行動は3ステップになります。

土地の確保3STEP
  STEP1.  市役所、町役場の“農政課”“農林改良課”などという農業に関する部署へ行く

STEP2. 営農センターへ顔をつないでもらう
STEP3. 条件の悪い畑を改良&営農し、信用を積み重ねる

農協の運営する“営農センター”というところが地域(概ね市町村ごと)にあります。

ここに行けば土地を貸したい地主さんと、土地を借りたい方をマッチングさせてくれます。また、地域の農業の情報全般がここに集まっています。

農協好き/嫌いという感情的な話は無視して、このような施設はうまく利用していきましょう。

営農センターへ行く場合は役場の“農政課”という、農業を管轄する部署へ行き、顔つなぎをお願いするとスムーズです。

営農センターの方々は少数精鋭で日中は基本的に外回りが多い印象です。事務のお姉さんはいますが、現場の土地管理や営農担当の方は外回りでいないことが多いです。

営農センターから紹介される土地は新規就農者(跡継ぎではない方)の場合、条件の悪い農地がほとんどです。

条件の良い畑は現役バリバリで働いている信用のある方へどんどん流すためです。営農センター経由で土地を借りる場合は信用を獲得するまでの初めのうちは、草ボーボーを越えた、木々が生えている畑や、用水設備が敷かれていない畑といった条件の悪い畑しか集まりません。

 

2.地主さんとの直接のルート

知り合いに地主さんがいればそちらのルートで土地を借りましょう。

といっても新たに農業を開始する場合はなかなか地主さんとのコネクションがないかと思います。

そこで諦めてはいけません。

私の体験ではありますが、地主さんの情報は、思ったよりあっさり集められますし、地主さんも借り手の方を探していることが多いです。

基本的に土地の情報はクローズドになっています。自ら足を動かし「この土地、借り手がいないんだろうなぁ」という農地を何ヵ所か目星を付けましょう。

耕作放棄地のレベル感

Abandoned land

借り手がいなさそうな土地=耕作放棄地です。

通常、何も問題のない畑の場合は

土地を借りる→耕す→種をまく

というステップですが、耕作放棄地の場合

土地を借りる→耕せる状態に整備する→耕す→種をまく

というように、耕せる状態まで土地を育てていく必要があります。木や草を撤去・焼却処分し、堆肥などの資材を入れてからやっと耕します。

このような手間がかかるため、耕作放棄地は避けられやすいのです。

しかし、耕作放棄地と一括りにいっても、放棄期間や荒れ具合にレベルがあり、23年放棄されているところと、10年近く放棄されているところでは状態が異なります。

草ボーボー=耕作放棄地と一括りにまとめるのではなく、自分の物差しで耕作放棄されているレベルを見極めましょう。耕作放棄地を何ヶ所か見比べていくと

「この放棄地のレベルなら自分でもなんとかできる」という掘り出し物を見つけられます。

土地の場所がわかれば役場や営農センターへ行き、「ここを借りたいので地主を紹介してほしい。」という旨を伝えましょう。

役場の対応は早いと1日以内に連絡が来ます。もちろん、近所の農家さんに聞いても教えてくれることがあります。

もし5年以上放置されている場所だと安定的に野菜を育てられる畑になるまでに多くの時間がかかってしまいます

そうならないために雑草の種類をよく見てみましょう。→詳しくは雑草の種類と肥沃度を参考に。
また、良い雑草と悪い雑草の話や雑草の役割、雑草から学べることについてはこちらがよく参考になります。


 

この草には要注意!

ギシギシと呼ばれる、多年草で根っこを深く張る草があります。田んぼの畔や法面によく生えているのを見かけますがこのギシギシが畑の真ん中の方まで侵食している場合はその畑をあきらめましょう

ギシギシは、草丈の上部だけを刈っても根っこ自体の繁殖力が強いため、土の中で増え続けます。グリホサートなどの強い除草剤を巻けば枯らすことができますが、なかなか大変です。

木が生えている畑も要注意‼

木、特に大木が生えている畑(畑と呼べるかはわかりませんが)は要注意です。草以上に根っこを引っこ抜くのに時間がかかりますし、引っこ抜いた根っこを埋める、焼却処分するのにも大変コストがかかります。

「時間があるから大丈夫」と思わず、妥協しないようにしましょう。

新規就農者の狙い目の土地

 

ここまで、農地を借りることに適さない条件をあげてきました。狙い目としては

・草が生えているが、放棄歴が浅い土地

を狙うのが経済的にも労力的にもコスパが良いでしょう。

それともう一点、ねらい目の穴場農地があります。

それは

「機能していないビニールハウス付き農地」です。

詳しく説明していきます。

狙い目のビニールハウス付き農地とは?

上記で述べたように草ボーボー、木が生い茂っている畑は避けられがちです。そのような状態の農地でもビニールハウスの骨組みごと放置されている場合があります。

骨組みだけ残って、ハウス内に草や木が生えている状態です。

自分でゼロからビニールハウスを建てようと思ったら、5アールほどで100万円近くかかってしまいます。

借地の場合、そもそもそこの畑にビニールハウスを建てて良いか、地主さんの許可が必要なケースがほとんどです。

農業経営していく上で、ビニールハウスは必要不可欠なのですが、ココにかなりのコストがかかってしまいます。

このコストを軽減できるのなら、草ボーボーの放棄地でも借りる選択を選んでもよいと思います。

実際、放棄されているというだけで人気がないため、意外にビニールハウス骨組み付き農地は見つかります。

地主さんからしても、骨組み撤去費用が掛かるのでできれば使って欲しいという方が多いです。

さらに、ビニールハウスが建っているところは用水設備も整備されていることがほとんどです。雨水を取り入れることができない構造なため、近くに用水の立ち上がりがあり、ホースでつなぐ潅水設備であることが多いです。

新規で農業を開始する方の2つのハードル、ビニールハウスと水。その二つを一気に解決できることでしょう。

農地探しの際は、耕作放棄地ビニールハウス骨組み付き農地を狙い目にすることをおすすめします。

まとめ

Vegetable seedling

ここまで、土地の確保についてお話ししました。まとめると…

土地の確保のポイント

・土地の相談は役場・営農センターへ

・耕作放棄地にもレベルがいろいろ

・狙い目はビニールハウス骨組み付き農地

です。

土地を借りる前の自分は「大変そうだなぁ」「人脈がないけど、大丈夫なのかな?」

と思っていましたが、相談するべき場所に、ちゃんと内容を伝えることができればすんなりと進みます。

ただ、いずれにしろ時間がない状態で提示された土地を消去法で選ぶとものすごい後悔しますので、時間に余裕をもって行動しましょう。

次回の記事では【経営計画】についてまとめようと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。