農業に転職!の書評
 園主 園主

ひと言でいえば、農業版「夢をかなえるゾウ」です。

就農しようとする人、必見です。
失敗しない就農方法がここに全てあります。

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家庭菜園・農業従事者におすすめの本14選【2021年版】

就農者必読「農業に転職!」

”就農は「経営計画」で9割決まる 農業に転職!”

作者の有坪民雄さん。有坪さん渾身の1冊です。私自身、この本を初めて読んだ時にはど肝を抜かれました。そしてなぜ就農前にこの本にこの本に出会うことができなかったのかと悔やみました。それくらい答えだらけの1冊です。

船井総研でコンサルタント→専業農家の有坪さん。個人的有坪先生の代表作です。

この本を知り、有坪先生の他の著書をすべて拝読するきっかけになりました。それくらい魅力的で答えがちりばめられている本です。

営農計画の狙い

本書は農業版「夢をかなえるゾウ」でしょう。有坪先生が出す課題を一つ一つクリアしていくことで、就農して成功するというゴールにどんどん近づいていくことができます。

農業の成功は経営計画が9割。優れた計画は経営するうえでの道しるべとなります。

それだけではなく、優れた経営計画を新規就農支援アドバイサーという、新規就農するうえでは避けては通れない関所的役割の方々に提出し、「この子を応援したい!」と思わせ強力な伴走車を増やすことも視野に入れています。

新規就農支援アドバイサーは普段、何を思っているかというと「この子続くのかなぁ?」「こんなんで大丈夫なのかなぁ?」といういい加減な経営計画書を提出してくるひとたちと戦っています。いつしか否定することが仕事になってしまっている、新規就農者に対しては「口うるさい小姑」になっているのです。

そんなアドバイサーをうならせる経営計画を書くことで「お!面白そうなヤツが出てきたな」「ちょっと応援してみるか」と思わせることができます。

そうなると勝ったも同然です。農地に詳しく、力を持っているアドバイザーを仲間にしたのですから。

アドバイザーをうならせる経営計画にチャレンジしてみましょう!

新規就農のよくある疑問

経営計画の手ほどきが細かく説明されている本書。実際に私、こうやって農家になりましたという事例も充実しています。

もちろん、就農することがゴールではありません。ただスタートラインに立っただけです。

就農後には何が待ち受けているのか。実際に就農した方からすればあるあるかもしれませんが、就農をまだしていない方にとっては未知との遭遇です。それを本書では予習ができます。

資金調達の方法や組合には加入するべきか否か、移住するならこんな準備が必要です。とか最低限自己資金はいくら必要かなどの情報が盛りだくさんです。

全部を読んでみて、確実に言えることが前半の営農計画を本書に従って作れさえすれば、就農後の成功確率はかなり高いと思います。それほど高度な内容です。

ただ、内容は高度ではありますが、決して難しくはありません。単に少しめんどくさく感じるかもしれません。決して妥協しないでください。そのめんどくささが成功への一番の近道なのですから。