赤白黄色ピンクにオレンジと、鮮やかな色が目に入り、この野菜は何だろう?と思ったことはありませんか。
葉の部分はホウレン草のような感じで、葉柄がカラフルでパッと目を引く野菜、それがスイスチャードです。
スイスチャードとはどんな野菜なのか、紹介します。
スイスチャードとは
アカザ科フダンソウ属のスイスチャードの特徴は何といってもその見た目。赤や黄色、ピンク、オレンジ色など葉柄や葉脈がとっても鮮やかですよね。
リーフビートとも呼ばれ、実は甜菜(さとう大根)などと同じの葉野菜なんです。
スイスチャードには日本種と西洋種があります。日本種の呼び名は、フダンソウ(不断草)。季節を問わずに栽培できることから、こう呼ばれるようになったといわれています。
日本でも昔から栽培されています。
地区によっては「うまい菜」、「いつも菜」、「常菜」など、様々な呼び名があります。
スイスチャードの栄養素はβ-カロテンやカリウム、ミネラルを豊富に含んでいます。
スイスチャードの幼葉から大きな葉まで、サラダによく使われています。
スイスチャードの育て方
スイスチャードの旬は初夏から秋にかけてです。葉物野菜が育ちにくいこの時期に暑さをものともせず元気に育つのがうれしいですね。
ポイントを押さえれば栽培もとても簡単。菜園初心者の方にもおすすめです。
スイスチャードの栽培時期
ほぼ通年栽培することができますが、気温が低いと発芽しません。寒い季節はビニール被覆などで温度を上げましょう。
スイスチャードはなんといっても暑さにも強いので、夏でも収穫できます。
そのため、青菜類が不足する夏は、ホウレン草の代用として栽培されることもあります。
スイスチャードの栽培環境
日当たり・場所
スイスチャードは、日当たりが良く、風通しの良い場所で育てるのが最適です。
温度
スイスチャードの生育に最も適しているのは15~20℃です。発芽しやすいのが25℃くらいの時です。
スイスチャードの好む土壌
スイスチャードは、酸性の土を嫌います。種を蒔2週間前位に苦土石灰を散布して、弱アルカリ性にしておきましょう。その1週間後に、堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。
プランターで栽培する場合は市販の野菜用の培養土がおすすめです。
スイスチャードの種・苗
スイスチャードは、種と苗があります。種は単色とミックスがあるので、お好みで選びましょう。まれにミックスの種でも赤一色しかできないこともあるので要注意!
苗は、株元から新しい葉が出ていて、茎がぐらついてないものが良いです。
スイスチャードの種まき
スイスチャードの種をまく土の表面を平らにならし、深さ1〜2センチの溝(まき筋)を作ります。
まき筋ができたら約3センチ間隔で、1個ずつ種をまきます。まき筋を2本作るときは
20センチ程度離して、作りましょう。
まき筋に約3センチ間隔で、1個ずつ種をまきます。すべての種まきが終わったら、土をかぶせ、十分に水やりをします。
スイスチャードの発芽
スイスチャードはおよそ5〜10日ほどで発芽します。芽は細長い双葉です。
雑草のように見えてしまうこともあるので、間違えて抜かないように気をつけましょう。
日当たりが悪いとすぐに茎がか弱く伸びて曲がってしまう”徒長”を引き起こしてまいます。できるだけ日がよく当たる場所で、水やりのしすぎに注意しながら育てましょう。
スイスチャードの間引き
スイスチャードの葉の成長に合わせて間引きをしましょう。本葉が2〜3枚の出てきた頃に、5〜6センチ間隔、本葉が4〜5枚の頃に15センチ間隔程度に間引きにするのが目安です。
大株に育てたい場合は、本葉5~6枚のときに株間を30cmにします。
はさみで間引きをおこない、他の株を抜かないように注意しましょう。
間引いた若い菜はサラダで食べるとおいしいですよ。
スイスチャードの収穫
スイスチャードの草丈が20~30cmくらいになったら、株ごと引き抜いて収穫をします。根っこを抜かずに外側の葉からかき取って収穫すると、長い期間収穫ができます。ただ、大きく育てすぎると葉が硬くなりますので、気をつけましょう。
知っておきたいスイスチャードの育て方の5つのポイント
① 種の特徴
びっくりするかもしれませんが、スイスチャードは1つの種から、2~3本の芽が出ることがあります。
これはスイスチャードの種は殻で覆われていて、殻の中に、数粒の種が入っているからなのです。
種をまくときは3cmぐらいのやや広めの間隔をあけるのがポイントです。
また、種の殻は非常に硬いので、まく前日に一晩水につけておきましょう。
② 発芽前と発芽後の水やりの違い
スイスチャードは発芽するまでは、土の表面を乾燥させないようにしましょう。乾燥していると発芽しづらくなります。
特にプランターの場合は土が乾燥しやすいことがあります。発芽するまで新聞紙を濡らしてかけておくとよいでしょう。
発芽してからは、水のやりすぎに気をつけましょう。
土が湿り過ぎていると立ち枯れ病などの病気にかかりやすくなります。
日当たりの良いところで、乾燥気味に管理することが大切です。
③カラフルな色を収穫するために
いろんな色のスイスチャード、育ててみたいですよね。
色と直接関係あるわけではありませんが、間引くタイミングに気をつけましょう。
発芽から間もなくは色がわかりにくいので、少し待って色がはっきりしてから間引くと色が選べます。
カラフルなスイスチャードが生えた畑、ステキですよ。
④ 収穫のタイミングで風味が変化
スイスチャードは収穫のタイミングによって風味が変わるので、好みに合わせて収穫しましょう。
・草丈10~15cmで収穫
ベビーリーフとして収穫できます。
小さいときはやわらかくクセもないので、生でサラダに入れて食べることができます。
・草丈20~25cmで収穫
鮮やかな色が楽しめ、小株で収穫できます。
強いクセはありませんが、スイスチャード特有の風味が味わえます。
ただ、これ以上大きくなってから収穫すると、えぐみやアクが強くなり、茎も硬くなるので、おすすめしません。
⑤病害虫の対策
スイスチャードは小松菜などアブラナ科の葉物野菜と比べると害虫はつきにくい野菜です。
しかしアブラムシやヨトウムシ、ハダニなどの害がないわけではありません。
ヨトウムシの幼虫は一カ所に100〜200個の卵を産んで、葉を食べます。適宜に農薬を散布したり、防虫ネットをかけたりして、防除しましょう。
病気はべと病や、立枯れ病があります。
特に苗の頃は湿り気の多い場所で立枯れ病が出やすくなります。発芽まではしっかり水をやり、発芽後は土を乾燥ぎみに保ちましょう。
スイスチャードのおすすめの食べ方
スイスチャードはさっと炒める、茹でお浸しにするなど、ホウレン草と同じように調理できます。
できるだけカラフルな色合いを活かしたいですよね。
そのためには加熱しすぎないことがポイントです。加熱しすぎると、色があせてしまいます。
サラダ
スイスチャードの柔らかい葉はサラダにぴったりです。
いつものサラダに少しだけスイスチャードを加えてみてください。サラダの彩りが見違えるほど良くなりますよ。
炒め物
スイスチャードの外葉や柄の部分は炒め物にすると美味しく、彩りも楽しめます。
また、油で炒めるとカロテンの吸収も促進されます。
食べやすい大きさに斜めに切って、豚肉や鶏肉、揚げた白身魚などと炒めても美味しいです。
オリーブオイルを使いニンニクを効かせてイタリアン風、ごま油で炒めて中華風と、どんな料理にもよく合います。
さっとバターでソテーし、メイン料理の付け合わせなどにもぴったりです。
さっと茹でる
おひたしやあえ物としても美味しいです。
葉と柄の部分は切り分けて茹でます。柄の部分は加減をみながら丁度食べやすい硬さになるまで茹でます。葉の部分はさっとシャブシャブの様にさらして、しんなりしたらすぐに引き上げましょう。
鰹節をのせてポン酢をかけるとシャキシャキと美味しく、ナムルや胡麻和えにしても美味しいです。
おわりに
スイスチャードの
・育て方
・特徴
・食べ方
について紹介しました。
目立つ見た目のマイナー野菜、スイスチャード。
ぜひ一度、栽培や料理にチャレンジしてみてくださいね!