健康野菜チコリって?育て方・栽培のポイントを紹介します

健康野菜チコリって?育て方・栽培のポイントの紹介します

健康野菜チコリって?育て方・栽培のポイントの紹介

ヨーロッパのサラダの定番チコリってどんな野菜?
チコリってそもそも何?どうやって食べればいいの?このような疑問にお答えします。

参考: ルッコラセルバチカ(セルヴァチーカ、ワイルドルッコラ)の育て方のポイント

【西欧野菜】チコリ【サラダの定番】

はじめに
この記事では「チコリって名前は聞いたことあるけどよくわからない。」「どうやって育てるの?」という疑問を持つ方へ向けて書いています。
この記事を読むことで「だからチコリって好まれているのか!」と納得されるかと思います。

チコリってどんな野菜?

チコリの基本情報

チコリとは、ヨーロッパ(特にイタリアやフランス)でサラダや付け合わせによく使われるキク科の多年生野菜です。日本のサラダの定番と言えばレタスでしょう。それがヨーロッパではチコリなのです。
一度でもチコリを食べたことのある方ならご存知だと思いますが、チコリの葉っぱはとにかく苦いです。私も初めて食べたときは失敗したかと思うほど苦かったです。
その苦み成分の正体は「チコリ酸」と呼ばれるものでこれには抗菌力や活性酸素を抑える働き、さらには消化促進作用まであるとされています。
つまり失敗したわけではなくチコリ酸があふれていたのでした。
また鮮やかな赤紫色はアントシアニンであり、抗酸化作用や生活習慣病予防に効果的と言われています。つまり、チコリとは非常に優れた健康野菜なのです。

チコリの種類

チコリには大きく2種類に分かれ、チコリアンディーブ(エンダイブ)と言われるものです
どちらも一般的には総称してチコリと呼ばれています。
ここでいうチコリは主に栽培過程で軟白化されるものを指します。
軟白化とは栽培の途中で日光を遮ることにより口当たりまろやかにし、甘みを強くする栽培方法です。
ほかの野菜だとホワイトアスパラガスなんかは有名ですね。あれも完全に日光を遮ることにより柔らかく仕上げます。
軟白化という工程がとても技術がいるため高価で取引されています。
一方アンディーブ系統のチコリはその葉っぱを主に食べます。葉先は特に苦いですが、軸は甘みを感じます。
因みに、チコリの品種としてはラディッキオ・プレコーチェタルティーヴォトレビーゾタグリオビヨンダチコリーイタリコカステルフランコイタリアンレッド…などなど、とても種類が多いです。

チコリの食べ方

軟白化されたチコリエンダイブもどちらも生で食べます。その葉先の強い苦みと軸のマイルドな甘みからなる絶妙なバランスからワインに合う野菜ナンバーワンと言われています。
ヨーロッパでは軟白チコリと白身魚、さらにワインが最高級の贅沢とされているそうです。
最近の日本の野菜は糖度競争によりどれもそれ単体でおいしいものが増えました。チコリのように食べ合わせておいしさを発揮する野菜はちょっと珍しく感じるかもしれませんね。

チコリの育て方

チコリの播種期

チコリの育て方は白菜にとてもよく似ています。
旬は冬、つまり12月ごろ収穫なので8月に入ったら種をまきます。
レタスと同じキク科の野菜ではありますが、キク科の中ではトップクラスの発芽率なので発芽不良の心配はいりません。播種後もいつも通りにお水をあげてください。
1か月弱で定植できる大きさとなります。この時もブロッコリーなどのアブラナ科野菜と違って生育初期に神経を使うこともないでしょう。
強いて言うのなら冬の厳しい寒さに当たると甘みが増し、葉っぱの面積が小さくなり軸が肉厚になり味が凝縮されさらにはアントシアニンが増えます。その点を留意して冬の寒さに当たるような計画で行きましょう。

チコリの施肥・防除

チコリはその強すぎる苦みのせいか、ほとんど虫に食べられませんし、病気にもなりにくいです。
そのため農薬散布や防虫作業は必要がないでしょう。
施肥は生育中期(定植後40日くらい)で葉っぱの先が黒くなる症状が出ることがあります。これは病気ではなくカルシウム欠乏の症状なのでその点は間違えないようにしましょう。カルシウム資材はいろいろありますがこの症状の場合資材は何でもいいです。

チコリの収穫期

早ければ定植から60日ほどで葉っぱをかいて食べられるほどになります。軟白化させないのならどんどん収穫しましょう。
軟白化させる場合は100日ほど静観しましょう。白菜同様、だんだんと巻きが締まってきます。締まってこない場合は麻ひもで縛ってあげてください。
さらに20日ほどしたら根っこごと引っこ抜いて収穫です。収穫後、すぐに販売するのではなく一度日光を遮るよう肥料や培養土が入っていたからの袋に入れて暗い納屋などで1か月ほど保管したら出来上がりです。とても大変な作業ですが軟白化されたものの味わいは格別なものがあります。
また、チコリは多年草のため葉っぱ収穫の場合は株が生き残っている限りずっと収穫できます。春先に青くてきれいな花を着けますがそれらを切り落とせばまた葉っぱがどんどんと出てきます。3年くらいしたら株を更新するイメージでいいかと思います。

チコリの失敗例

私の初歩的なミスですが、収穫が始まったときに後先考えずどんどん収穫していったら葉っぱが生えてこなくなってしまいました。基本的なことですが光合成と収穫のバランスはいつも考えなければいけませんね。冬になると葉っぱの大きさが春の3分の1ほどの大きさしかなりません。ですが味が凝縮されていて冬のチコリはとてもおいしいのです。そのため収穫もついつい取りすぎてしまう結果となってしまいました。
また花をつけた春にも失敗をしたことがあります。
チコリが花をつけて木質化を始めたので収穫ももう終わりだなと思い全部根っこから取ったのです。すると取りそびれた株から次々と若い新芽がどんどん出てくるではありませんか!木質化したら上部を切り落とせばそれで十分で、根っこは抜く必要がなかったのです。

チコリって儲かるの? チコリの経営的観点

栽培の側面は言わずもがなです。多年草で虫が来ないので栽培は大変だと感じるポイントがありません。
また、営業の側面でもあまり苦労はしません。赤色のサラダ野菜で高栄養素な健康野菜とうたえるので個人のお客様から飲食店様まで幅広く認知してもらっています。当農園で実験的に続けてきたマイナー野菜の中では1番売りやすいです。旬の冬場にはかなりおいしくなるので新規営業のアイキャッチ商品としても重宝します。

ぜひ一度チコリを育ててみてはいかがでしょうか。

参考:ロマネスコってどんな野菜?ロマネスコの種まきから収穫まで、育て方のポイント