【栄養満点モロヘイヤ】モロヘイヤの作り方のポイントや料理のレシピについて紹介します。
モロヘイヤの栄養素は?育て方は簡単なの?毒があるって本当?
このような疑問にお答えします。
参考: 健康野菜チコリって?育て方・栽培のポイントを紹介します
【健康野菜】夏バテ知らずの夏野菜モロヘイヤ【美容にも】
この記事は「モロヘイヤってTVでやってたけど、食べ方は?」「モロヘイヤって毒があるんでしょ?」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで「モロヘイヤって健康野菜なのね。」「モロヘイヤの毒に関する正しい知識はこれだ。」となるかと思います。
モロヘイヤってどんな野菜?
モロヘイヤの基本情報
モロヘイヤはアラビア語で「王様の野菜」と言われています。その理由は豊富な栄養群です。クロロゲン酸、ベータカロテン、食物繊維、ポリフェノール、ビタミンB・C・Eなどです。
これらの栄養素により活性酸素を抑える、高血圧や高コレステロールの予防、胃の調整作用、便秘改善、疲労回復などが期待されています。
また、モロヘイヤの種には毒があると内閣府食品安全委員会で言われているのでご注意を(詳しくはモロヘイヤの選び方で解説します)。
モロヘイヤの種類
モロヘイヤはタキイ種苗やサカタのタネなど大手メーカーから、アタリヤ農園やトーホクのタネなどホームセンターを主戦場とするメーカーからも販売されています。
その豊富な栄養素から想像できる通り、モロヘイヤという作物自体がとても強い生命力をもっているのでどのメーカーで購入してもうまく育てることができるはずです。したがって一番求めやすい販売先で購入するのがいいでしょう。
今後の展望としては早生タイプ・晩生タイプや大暑性・耐寒性のものが出てくることは考えられますが、品種開発のスピードは遅い印象です。
モロヘイヤの選び方
ここでは鮮度の話と種の毒性の話をします。
鮮度の良いモロヘイヤとは、葉の色が濃い緑色でハリつやがあるもの。茎の切り口がみずみずしいものを選びましょう。
収穫方法をイメージしてください。販売されているモロヘイヤは茎の部分が長いもの(背丈が高いもの)と茎の部分が短いもの(背丈が低いもの)があるかと思います。
背丈の高いものの茎の下部は固いので火を通しても繊維が残ります。これはハサミや鎌などの刃物で収穫したものです。調理時のごみが増えてしまうので気を付けましょう。
おススメは反対に茎の長さが短い(背丈の低い)もの。これは収穫時に刃物を利用せず、指先で茎をポキッと追って収穫されたものです。指先で収穫できるものは食べたときも柔らかいので調理時に茎の部分を捨てなくてよいです。
つまり売られている見た目の背丈が低いもののほうが茎が柔らかいので調理時のごみが少なくて済みます。
茎の長いモロヘイヤは一見すると大容量でお得に見えますが可食部(食べられる部分)は少ないのです。
次にモロヘイヤの種と毒の話です。
「モロヘイヤの種を食べたウシが次々と死んだ」というニュースが過去にあり、以来モロヘイヤには毒がある!と言われるようになりました。
正確には「鞘丈15センチほどになった完熟した種子」には毒がある、です。私は種になりかけの鞘が5センチくらいの小さいものや黄色い花を食べていますが腹痛等の症状が起きたことはありませんので必要以上に怖がることはありません。
加えて、「市販されているものは安全」「お店で買えば大丈夫」という認識も危険です。昨今は道の駅や、スーパーの産直コーナーが増えています。これは生産者(プロ農家だけではなく兼業や家庭菜園の方を含む)が店側に棚賃(売り上げの数十パーセント)を支払うことで野菜を販売してもらうシステムです。
お店は棚を貸すだけで納品される野菜の数が多いと店側の管理が行き届かないケースも多々見受けられます。
ですので野菜の品質は最低限の基準はあるものの個々の生産者に任されることが多いです。そうなると農家歴や農業の従事日数もいろいろな方が納品するので、毒性に関する理解がない方が納品する可能性も十分に考えられます。
因みに毒性のトラブルは過去には【ニラ】という商品名でスイセン(猛毒と言われています)が出品され、購入された方が体調不良を訴えた事件もあります。安心して食事をするためには消費者にも購入の際には一定の知識を備える必要がありますね。
モロヘイヤの食べ方
モロヘイヤの調理法としてはさっと茹でて水を切り、みじん切りにするまでが基本です。
そこからはスープやみそ汁の具にしたり、冷奴へ乗せたり、だし醤油でお浸しでもおいしいです。
また水気を十分に切ってみじん切りにした後、密閉できる袋に入れれば冷凍保存も可能です。
夏場の葉物野菜として重宝されますが生のままでは日持ちしないので冷凍保存がおススメです。
モロヘイヤの育て方
モロヘイヤの播種期と旬の時期
モロヘイヤの旬の時期は夏です。暑さの盛りになるまでに株を大きく育てたいので遅くとも6月中旬には定植しましょう。
モロヘイヤの種まきは一般的には4月末からですが、3月種まき、4月末定植でも定植時に霜の心配がなくなる時期なら可能です。また、不織布などで霜対策を十分にすればさらに早く栽培可能です。もっとも、種代がとても安く発芽率も高いのでどんどん種をまいても費用は安く済みます。
モロヘイヤの施肥・防除
モロヘイヤの生育初期にどんどん気温が温かくなる時期なので肥料吸収率が良いです。そのため肥料過多には注意が必要です。肥料過多になると緑が濃くなりすぎて苦みの強いものになってしまったり、大きく育っても葉先がすぐに溶けてしまったりしてしまいます。肥料は全くなしではだめですが、気持ち少なめでも十分吸収します。
また、虫はコガネムシとヨトウガがつきますが、夏のモロヘイヤの成長はとても早いのであまり気にしなくてもいいかと思います。
モロヘイヤの収穫期
モロヘイヤは、4月下旬~5月上旬定植で6月中旬から収穫が始まります。収穫が始まると9月までは収穫でき暑さが和らぐ9月下旬ごろに黄色い花を付けるようになります。花をつけて放っておくと先ほど書いた種子をつけるので花を丁寧に取り除いて種子をつけさせないようにします。そうすれば10月いっぱいまで収穫することができます。
つまり、モロヘイヤは6月から10月末までという、とても収穫時期の長い葉物野菜であるのです。
また収穫のコツは前述したとおり刃物ではなく、指先でポキッと折って収穫した方が茎の部分が食べられる柔らかさかどうかを確認しながら収穫できるのでおススメです。指先収穫は慣れてくると1時間ほどで5、6キロほど収穫できるので効率もいいです。
モロヘイヤのよくある失敗
モロヘイヤの失敗としては、収穫期に多いです。
キュウリやゴーヤーのような夏野菜は毎日収穫しないと果実が大きくなって株が成り疲れを起こしてしまいますよね。モロヘイヤも同様で株がどんどん成長していくと茎が固く育ってしまって食べられないほど固くなってしまいます。毎日収穫しましょう、とまでは言わないですが毎週くらいの継続的な収穫は必要です。
さらに花をつける9月ごろにも注意が必要です。長期収穫をするのならこまめに花を摘まないとすぐに種を付けてしまいます。また、収穫を終了するのならすぐに株を根っこごと引っこ抜かないと大変なことになります。
モロヘイヤはとても根の張りがいい野菜なので長期間放っておくと片づけにとても苦労します。
9月のこの時期は冬野菜の準備等でとても忙しいとは思いますが収穫終了の時期をしっかりと定めて計画しましょう。
モロヘイヤって儲かるの? モロヘイヤの経営的観点
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栽培の側面から種の毒に気を付ける点と根っこの張りが良すぎるため片づけがやや大変な点はあります。
病気や害虫に関しては夏野菜で一番気を使わなくていい野菜だと思います。
トマトやキュウリなどはたくさん収穫できますが、病害虫に頭を悩まされることが多いかと思います。その点モロヘイヤは若干のコガネムシが気になるくらいで果菜類のように神経を尖らせて管理する状態にはならず私のようなズボラな方とは相性がいいかと思います。
営業的側面から一般家庭向けの夏場の葉物野菜は競合が少ないため、とても売りやすい野菜です。高原育ちのほうれん草、小松菜の値段が高いため消費者がなかなか葉物に手が伸びない時期の救世主となるでしょう。モロヘイヤは病害虫のリスクが少ないので当農園では夏の作付け計画時のベーシックインカムとして位置付けています。
モロヘイヤで最低限の収入を確保しつつ、キュウリ、ナス、トマトでがっつり稼ごうという作戦をとっています。
理由はどうであれ冷奴に組み合わせる薬味としては最高だと個人的には感じているので育てない理由はないです。
皆さんも一度モロヘイヤを栽培してみてはいかがでしょうか。
参考: 栽培簡単でおしゃれサラダに!ルッコラセルバチカruchetta-salvatica(セルバチカ、セルヴァチーカ、ワイルドルッコラ)の栽培のコツと儲かるポイント