ヒットを育てる!食品の機能性マーケティング 書評

「モノを売るにはストーリー性をとりいれて売るべきだ!」みたいな話、よく耳にしますよね。

でもストーリー性ってなんのことかすぐに説明できますか?

開発苦労エピソードをパッケージするだけでは全然足りませんよ。

 園主 園主

今回は「ヒットを育てる!食品の機能性マーケティング」を読みました。
機能性食品の売り方、マーケティングのフレームワークを学びたい方にはおすすめです。

ポイント

・マーケティングの基本はストーリーで売ること
・ストーリーで売るために網羅するべき要素がある
・市場規模を0→2000億まで作り上げたキシリトールの実例紹介

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食品マーケティング×健康食品業界のパイオニア

今では2000億円ほどのキシリトール市場をゼロから育て上げ、現在は食品分野でのマーケティングに携わる。藤田康人さん。

健康食品ビジネス大事典の著者で健康食品ビジネスコンサルタントの武田猛さん。

さらには日経BP総研マーケティング戦略研究所の研究員の方が著者です。

「野菜や食品を売るには消費者目線が大事です」レベルのマーケティング本かと思ったら大間違いでした。

食品分野マーケティング実例本であり、普遍的なフレームワークのためどんな分野にも横断できるノウハウが盛りだくさんです。

実例紹介は食品のため、食品領域でビジネスをする方には特に入りやすい内容です。

ストーリーで売るために必要な要素

買い手の行動を喚起するストーリーの要素

1.買い手へ整理した情報を提供
2.価値の根拠の提示
3.リスクの軽減
4.娯楽性

ストーリーはなぜ必要なのでしょうか。それは買い手の消費行動を喚起するために有効だからです。

1.整理した情報を提供し、興味を持ってもらう。

2.この商品にはこんな価値があるんですよ。その理由づけ、根拠を明示する。

3.実際に消費者に試してもらうことにより、買ったけど効果がなかったというリスクを軽減する。

4.長きにわたってファンになってもらうための関係性を構築する。

この4つを一言でいうと「ストーリー」になります。

消費者が商品を買うということの合理的な理由をみせてあげるということです。

ここで忘れてはいけないことが「消費者が求める4つのベネフィット」です。

ワタシの商品買ってよ~と一方的なオファーでは振り向いてもらえません。

消費者もバカではないので自分の哲学に合わないものはよほどのことがなければ買いません。

その「消費者が求める4つのベネフィット」とは

1.QOL改善

2.見た目の向上

3.不安解消(疾病リスクの軽減)

4.お守り的存在

ひと言でいうと「メリット」になります。

「商品にストーリー性を持たせ、消費者にメリットを提供する」という一文をわかりやすく解説していますね。

マーケティング実践

この章では「マーケティング」についての解説です。マーケティングとは、売れ続ける仕組み作りのことです。

因数分解するとストーリー、エビデンス、プロモーションの3点に分かれます。以下、キシリトールを例にすると…

ストーリー…キシリトールで虫歯予防、予防歯科の概念。ターゲットに確実に刺さるメッセージ。

エビデンス…キシリトールの予防効果に関する論文、臨床研究。消費者の欲求を解決するエビデンスか。エビデンスをわかりやすいコンテンツとして示せているか。

プロモーション…虫歯予防協会の設立、歯科専門医からの推奨。消費者の認識転換を実現することを明確にゴール設定する。アーンドメディア、オウンドメディア、ペイドメディアの三位一体。

となります。

まとめ

本書にはその他にも

日米機能性食品のトレンド

腸活ブーム

イトーヨーカドー、ナチュラルローソンの販売戦略

などなど、マーケティングエッセンスが盛りだくさん。

食品関係でビジネスをする経営・企画職の方には必読の1冊です。