皆さんは、「ネギ」にどのようなイメージを持っていますか?
「風邪に良さそう」「薬味としてよく使う」「独特の匂いが苦手…」いろいろな意見がありますよね。
今回は身近な野菜である「ネギ」について紹介します。
ネギの栄養素
ネギの栄養素は根っこに近い白い部分と緑の部分で含まれる栄養に違いがあります。
白い部分には硫化アリル(アリシンともいわれる)が多く含まれています。
玉ねぎやらっきょう、ニラを口にすると独特な辛みを感じると思います。
それです。
硫化アリルはビタミンB1の吸収を促進する作用、血液をサラサラにする作用や血行を良くする作用がるといわれています。
ビタミンB1には身体の疲れを回復させる力があるため、その吸収を促進することで疲労回復効果が期待できます。
ビタミンB1を豊富に含む食べ物の代表は豚肉。豚肉とねぎの食べ合わせで効率よく栄養を吸収できます。
ネギの青い部分に多く含まれているものはカリウムやベータカロテン。
カリウムは余分なナトリウムを身体の外に排出する働きを持っているため、高血圧予防に繋がります。
ベータカロテンは皮膚や粘膜の健康を保つ効果や免疫力を高める効果を持っています。
人気のあるネギの品種
ネギの品種と聞いて、どういうネギをイメージしますか?
白ネギ、薬味用の青いねぎ、、、くらいはすぐに思いつくかもせれませんが、他にはどうでしょう?
実はネギの品種は何と500種類以上もあるんです。
ここでは代表的なネギの品種を紹介します。
白ネギ
一般的に言われる長ネギのことで、主に東日本で多く育てられています。焼き鳥のネギまに使われるネギです。
根っこに近い白い部分を主に食します。
育てる時に「土寄せ」というネギの根元に日を当てないように土を寄せる作業をすると、太陽に当たらない部分が軟白化します。
ネギの成長に合わせて土寄せをし、白い部分を長く仕上げることで価値の高い白ネギができます。
青ネギ
主に西日本で多く育てられています。白ネギに比べて細く、白い部分がほとんどありません。
柔らかく、彩りも良いため薬味によく使われます。
白ネギのような「土寄せ」の作業がないため、育て方は簡単です。
基本的には種まいて待つだけ。ときどき肥料をあげます。
収穫時に根っこから掘り出さず、土のきわ数センチを残して上部を刈って収穫すると、そこからまた生えてきます。
何度も何度も収穫できるのでベランダや庭先プランター栽培で十分楽しめます。
下仁田ネギ
群馬県の下仁田で育てられており、形は短くずんぐりむっくりに仕上がります。
その見た目からは意外かもしれませんが別名「殿様ネギ」とも呼ばれています。
ネギの栄養素の一つである硫化アリルが通常の白ネギの3倍も‼
そして特徴的なのはその太さです。白い部分の直径が4-5センチにもなります。
太い太い白い茎の部分を、フライパンや魚焼きグリルで焼いて塩をパラッと適量かけるだけでその甘みに感動すること間違いなし!
太いネギということで想像がつくかもしれませんが、下仁田ネギはネギの中でも特に肥料が大好きです。
たっぷり肥料をあげないとひょろひょろになってしまいますので肥料はしっかりあげましょう。
九条ネギ
九条は京都の地名から来ています。
京都のブランド野菜で、奈良時代から栽培されているといわれる歴史ある九条ネギ。
白い部分は少なくほとんどが葉のため、ビタミンを多く含んでいます。
青ネギの仲間ですが、葉鞘が太く、食べごたえがしっかりあります。
仙台曲がりネギ
一度育てたネギを再び植え直すという珍しい栽培方法で育てられます。
水田が多く地面が柔らかいため、ネギが真っ直ぐ育たないことで生まれたものだそうです。
植え直すことで柔らかく甘くなります。
ネギの中でも独特な栽培方法なので、栽培難易度は高いです。
越津ネギ
愛知県で育てられる、干ばつに強いネギです。
辛味が少なく、柔らかいことから白い部分から緑色の葉の部分まで余すところなくおいしく食べることができます。
柔らかいため、長期輸送に向かなく保存も難しいため、地域限定で流通しています。
岩津ネギ
兵庫県で栽培されるネギです。越津ネギと同じく、柔らかいため葉の部分も食べることができます。甘さに加え、香りも良いネギです。
越津ネギ同様、青いところ~白いところまで一本丸ごと楽しめる青ネギと白ネギの中間種です。
深谷ネギ
埼玉県で栽培されるネギです。
白い部分が長く、繊維が細かいネギです。糖度が10-15度もあり、大変甘みがあるネギです。
甘いネギの代表的品種です。
赤ネギ(レッドポワロー、ひたち紅っこ)
山形県で栽培されるネギです。
葉の部分は緑色、根っこに近い部分は赤色ですが、中は白くなっています。
生では辛味が強いですが、加熱すると甘みが出ます。
赤い成分はアントシアニンの一種。
一般的なネギとは違った栄養素を含んでいます。
リーキ
こちらは日本ではなく地中海のネギです。
ポロネギとも呼ばれます。
見た目は下仁田ネギに似ていますが葉の部分が平らで、ネギ独特の匂いが少ないです。
手軽に育てられるネギの種類
ネギの栽培難易度は
カンタン 葉ネギ<<白ネギ<<<<<<ブランドネギ(下仁田ネギ、仙台まがりネギなど) 難しい
となります。
地名のつくブランドネギはその地域・そこの気候条件でこそ育ちやすいのですが、ひとたび環境が変わるととても栽培が難しくなります。
大手メーカーの品種はどの地域でも育てやすく、味もおいしいものばかりなのでこだわりのない方は大手メーカーの品種がおすすめです。
自宅でネギを育ててみよう
自宅のお庭のちょっとしたスペースでも、プランターでもネギは栽培できます。
白ネギの栽培のポイント
3月~4月の冬の寒さが和らいだころに種をまきます。
その後は2~3か月かけて苗を鉛筆くらいの大きさまで育て、畑やプランターに植え替えます。
植え替えた後は3~4週間ごとに土寄せをし、白い部分を長く育てます。
プランターの場合、土寄せをして育てるので最初はプランターの5割程度の土で育て、育つごとに土を加えていくような育て方になります。
このように苗を育てるまでに結構時間がかかるので、8~9月ごろに出回る苗を購入し、そこから育てるのがおすすめです。
もちろんタネから育てても良いのですが、タネから育てると時間がかかること、ネギの発芽率がとても低いことからあまりお勧めはできません。
青ネギの栽培のポイント
こちらは土寄せの必要がなく、葉っぱを楽しむ青ネギ。
必要な時、必要な分だけ収穫するのでベランダ栽培に最適です。
育て方はとってもシンプル。
プランターに種をまいて待つだけ。
種まきして1週間くらいで発芽、水やりをほどほどにし、2~3か月ほどで収穫サイズに育ちます。
収穫しても根っこから数センチを残しておけばまた生えてきます。
温度の低い冬場は生長が遅いですが、春秋はぐんぐん育ちますよ。
長期間収穫するコツ
長期間、どんどんどんどん収穫したいのなら、土を選ぶこと。
安い培養土ではなく、肥料がたっぷり含まれているふかふかの培養土を選ぶのがポイントです。
まとめ
ネギの栄養素、ネギの品種、おすすめの調理方法、ネギの育て方について解説しましたがいかがでしょうか?お気に入りのネギや地元のネギはありましたか?
普段何気なく食べている「ネギ」は実はこんなにも奥深い野菜です。
まずは今まで捨ていた根っこに近い部分を小さなプランターに植えてみてはどうでしょうか?