鮮やかな色をしたズッキーニは、さまざまな料理に活躍する夏野菜のひとつ。
栽培がしやすく次々と実るため、家庭菜園で育てれば、新鮮なズッキーニを気軽に自宅で楽しめます。
たくさん作るポイントはズバリ受粉。
初心者の方にもおすすめのズッキーニですが、たくさん収穫するためには、栽培時期を守り、必要に応じて人工授粉をする必要があります。
この記事では、ズッキーニの育て方の基本から、栽培での失敗を避けるためのポイント、病害虫の対策までご紹介します。
ズッキーニの育て方のコツを知って、おいしい実を育てていきましょう。
ズッキーニの基本情報
ズッキーニは見た目の通りきゅうりの仲間。。。。ではないんです。
実はウリ科カボチャ属に分類される、つるのないかぼちゃ(ペポカボチャ)の仲間。
かぼちゃと比較すると、ズッキーニはつるが伸びないため、スペースが限られる家庭菜園でも挑戦しやすいのが特徴です。
ズッキーニは種からでも苗からでも育てられます。
発芽させるのが心配な方は苗から育てるのがおすすめ。
実際はズッキーニの種って発芽率が高く、発芽適温が広いので割と簡単に芽が出ますよ。
ズッキーニの品種と特徴
ズッキーニの皮色は、黒〜緑色の品種から鮮やかな黄色の品種まであります。どれも比較的育てやすいですが、品種によって見た目が異なるため、ぜひ、お気に入りの種類を育ててみてくださいね。
代表的な品種と特徴についてご紹介します。
ダイナー
緑色の皮で、省スペースでの栽培に向く家庭菜園に人気の品種。
長さ20cmほどの大きさの実を次々と収穫できます。
タキイ種苗の定番品種です。
ダークヤングマン
うどんこ病に強く育てやすい強健品種。
皮の色は黒緑色をしており、省スペースでも連続して収穫できる家庭菜園向きの品種です。
サカタのタネの代表品種
オーラム
色鮮やかな黄金色をした皮色が特徴の品種。
省スペースでの家庭菜園にも向いています。
鮮やかな色合いは、炒め物などの料理の彩りにぴったりでしょう。
ダイナーの姉妹品種
黄坊(きぼう)
黄色の果実はつやがあり、初心者でも栽培しやすい品種。
つやのある実は、料理の彩りに最適です。
ズッキーニ栽培の手順とポイント
ズッキーニは畑で育てるのが一般的ですが、プランター栽培でも大丈夫。
プランターで育てる場合は、大きめのプランターに植えて、実の数を調整しながら育てていきましょう。
ズッキーニ栽培の手順は以下のとおり。
- 種まき・間引き
- 植え付け
- 授粉
- 追肥
- 収穫
おいしいズッキーニを育てるための手順とポイントについて解説します。
種まき・間引き
ズッキーニを種から育てる場合は、3月下旬〜5月上旬が適期。
発芽適温は25〜30度と高いため、地域ごとの種まき時期を把握しておくことが大切です。
ポットに種をまいたら、種と土が密着するように軽く押さえ、水やりをしっかりおこないましょう。
複数の種をまく場合は本葉が2〜3枚出たら1回目の間引きをおこない、本葉4〜5枚ほどで2回目の間引きをします。
生育をみながら選別して、勢いのある1本を大きく育てていくことがポイントです。
植え付け
本葉4〜5枚くらいに育ったら植え付けのタイミングです。
苗を購入する場合は、葉が黄色くなっていない、ひょろ長くなくずんぐりむっくりの元気のいいものを選びましょう。
ズッキーニは1株が大きく生長するため、株間は60〜80cmを目安に植え付けをします。
日当たりを好みますが、高さがあまり出ないため、他の野菜を植える場合は、ズッキーニを植える場所が日陰になってしまわないように注意しましょう。
授粉
ズッキーニが結実するためには受粉が必要です。
虫が少ない場所や、雨が多い時期には、人工授粉をさせて確実に結実させていきましょう。
人工授粉は、早朝の花が咲きはじめたタイミングで、雄花(おばな)と雌花(めばな)をこすりつけます。
花の下がふくらんでいるのが雌花(めばな)の目印です。
午後になると雄花が閉じてしまうので、午前中に行いましょう。
追肥
大きく育ったズッキーニをたくさん収穫するためには、適切なタイミングでの追肥が欠かせません。
植え付け後、2〜3週間後に畝の脇に1㎡あたり30gの化成肥料をあたえて、株の成長を促していきましょう。
収穫
ズッキーニを収穫するタイミングは、花が咲いてから1週間ほどで、長さ20cmくらいが目安。ただし、品種により異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
ズッキーニの茎は太いため、ハサミでつけ根から切り取ります。
たくさん実を付けることや、大きすぎる実を収穫しないとと株が弱ってしまうため、収穫適期になったら早めに切り取ることがポイントです。
また、ズッキーニは花も食べられるため、消費に困る場合は開花後3〜4日で収穫する「花ズッキーニ」として楽しむ方法もおすすめですよ。
ズッキーニの病害虫
ズッキーニ栽培で気を付ける病害虫は、「うどんこ病」「軟腐病(なんぷびょう)」「モザイク病」「アブラムシ類」など。
とくに、葉っぱに白色の粉がふいたようなカビが出る「うどんこ病」にかかりやすいです。
病害虫を予防するためには、日当たりと風通しを確保することが大切です。
病害虫を見つけたらなるべく早く取り除き、繁殖を防いでいきましょう。
ズッキーニ栽培についてのQ&A
比較的丈夫で育てやすいズッキーニですが、限られたスペースで栽培する家庭菜園では、うまく育たなかったり、病気になってしまったりすることがあります。
ズッキーニ栽培のよくある質問を知って、失敗を防いでいきましょう。
Q.ズッキーニの実が大きくなりません
ズッキーニは、雄花と雌花が交配することで結実して大きくなります。実がうまく育たずに枯れてしまう場合は、受粉不良が考えられます。人工授粉をしてみてください。
人工授粉をする場合は、早朝の花が開きはじめる午前中におこなうと成功確率が上がります。
Q.ズッキーニを収穫したあとの茎はどうすれば良いですか?
ズッキーニの実を収穫したあとの茎は伸ばしたままにして大丈夫です。脇芽から伸びた茎に新しい花が次々と咲き、新しい実を収穫できます。
ただし、ズッキーニの茎は実の重みで折れてしまうことがあるため注意が必要。プランター栽培など高さがある場合は、風で倒れないように注意してくださいね。
Q.収穫を忘れて大きく育ちすぎてしまいました
ズッキーニは、大きな実も小さな実と比べて食味があまり変わらないのが特徴です。
大きく育ったズッキーニもおいしく食べられますよ。
大きく育てて楽しむ方法もありますが、収穫時期を過ぎたズッキーニは、どんどん大きく生長してしまいます。
取り忘れると株が弱る原因になるため、基本的には早く収穫することを意識していくと良いでしょう。
まとめ
ズッキーニは初心者の方でも育てやすく、1株でたくさんの収穫を楽しめる家庭菜園におすすめの野菜です。品種によって色が異なるため、さまざまな種類を育てる楽しみ方もできますよ。省スペースで育てられるズッキーニですが、よりたくさん収穫するためには、日当たりや風通しを確保することが大切。必要に応じて人工授粉などの手入れもしてあげると良いでしょう。
鮮やかな色をした新鮮なズッキーニは、夏バテ予防の料理にも活躍します。ぜひ、家庭菜園でおいしいズッキーニを育てていきましょう。