カーボロネロの育て方| 発芽や株間の抑えるべきポイント

イタリア料理店でペペロンチーノやトマト系のパスタに入っている肉厚の緑の葉っぱ、見たことありませんか?
その野菜こそがキャベツの仲間である“カーボロネロ”(別名黒キャベツ)です。
この記事ではカーボロネロをおいしく食べる方法や栽培方法、育て方のコツなどを紹介していきます。

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カーボロネロってどんな野菜?

カーボロネロの知識

カーボロネロとは、イタリアの中部トスカーナ地方の伝統的な野菜で、ケールに分類される別名黒キャベツです。


ケールに分類されるだけあって、ビタミンやミネラルといった栄養価は高いです。
キャベツの仲間であることから当然【キャベジン】も豊富に含み、胃の中の油の分解を助けるビタミンKも含んでいることから健康野菜といわれています。
見た目の特徴はなんといっても濃い緑色と肉厚で縮れた葉っぱ。
寒さにしっかりと当たってその肉厚な葉っぱで甘みをしっかりと蓄えています。。

カーボロネロの種類

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カーボロネロの種類は肉厚チリチリで黒色に近いくらい濃い緑色葉っぱが特徴です。種苗メーカー各社が種を販売していますが系統は大きく2種類に分かれます。
国産か海外かの2種類です。
国産メーカーのものは値段が高い(1袋あたりの種の個数が少ない)ものが多いですが、生育揃いがよく、発芽率も高いです。
一方海外メーカー産は種1つ1つのバラつき(個体差)が大きいですが、種の価格は安いです。
私は海外メーカーのものを使用しています。理由はやはり安いので失敗しても取り返しがきくという点です。
どちらの種を使用するかは各圃場の仕上がり具合や作業量、商品の売り方やお財布事情を加味して決めるといいでしょう。

カーボロネロの選び方

ほとんどの野菜と同様にカーボロネロの味は鮮度と比例するため新鮮なものを選びたいです。
新鮮なものは葉っぱがシャキッとしていて元気なもの、葉の付け根の部分の切り口が黒ずんでいないものです。
お店の定員さんとしても鮮度がよく見えるように売りたいものです。
収穫してから日が経過しているカーボロネロは切り口1センチ弱を切って小一時間切り口から水を吸わせるようにすれば見かけ上は新鮮なものとなります。
そのため買い手の皆さんは鮮度を見抜くのと同様に、カーボロネロの茎の長さが不自然に短くないかもチェックするといいと思います。

カーボロネロの食べ方

カーボロネロをおいしく食べるには煮込み料理が有名です。
カーボロネロは栄養豊富で肉厚であるため煮込んでも溶けにくく、味がしみこみやすいです。そのためその煮汁もおいしくいただけるような料理がいいでしょう。
イタリア原産の野菜なので、トマトで煮込む料理と相性がいいです。
そのほかにはオリーブオイルをフライパンに多めに使った揚げ焼きもおいしいです。
このようにその野菜が食べられている国、地方の料理を連想すると合う食材や調理法がイメージできるかと思います。

カーボロネロの育て方

 

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カーボロネロの播種期

種まきは8月から10月ごろまでに蒔きましょう。
私は毎年、ナチュラルハーベスト社の種を使用しています。1年では使い切れませんがアブラナ科の種なので日がたっても発芽率はそこまで落ちないように感じます。
播種時期ですが、早めにまくと虫の被害に遭いやすく、遅めにまくと充分に株が育ちにくいです。
※お彼岸(秋分の日)を過ぎると虫の活動が一気に鈍化するので育てやすいです。
播種後30日ほどを目安に本葉がしっかりと出てくるのでマルチシートを張った本圃に定植します。
冬から春(花まで収穫すると5月ごろ)まで収穫するので雑草対策と地温確保のため、黒マルチを使います。冬野菜には重宝しますね。
株間は30センチほどとれば十分です。それ以上広げて大きく育てると茎の部分の繊維質が固く育ってしまうので株間を広げすぎないようにしましょう。
定植後は特に虫の被害に気を付けましょう。青虫などのチョウ目の虫以外にもキスジノミハムシにも注意が必要です。葉っぱが商品なので虫食いは即商品価値が下がってしまいます。

カーボロネロの収穫時期

一般部では11月ごろから葉っぱ20センチ弱になると、大きいものからもぐように収穫します。
この時、収穫が遅れる茎の部分が固くなっておいしくなくなってしまい、逆に次々と収穫しすぎると光合成がうまくできなり株自体が弱まってしまうのでバランスを考えながら収穫することが長期間収穫するポイントです。
また、しっかり寒さに当たると葉がどんどんと縮れて甘みが増します。肉厚で霜には強いのでほとんどの地域で霜の降る時期でもおいしく育てることができます。
さらに春先になると花芽がつきますが、これも次々と収穫しましょう。
キャベツの甘さとつぼみの食感が味わえてとてもおいしいです。

カーボロネロの経営的観点

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栽培的側面から…栽培の工程数は並、収穫期間はかなり長く虫や病気の対策をする防除作業ははやや多く、出荷後の調整作業はかなり少ないです。
営業的側面から…お客様のカーボロネロの評価は極端です。
丁寧にPOP等で商品説明をしたとしても、直売所や宅配ボックスなどで一般家庭に売ることはなかなか苦労しました。
まだまだ一般家庭には知名度はなく、その見た目からケールのようなマズイ健康野菜の印象があるのでしょうか。もしくはコスパの面ではキャベツに遠く及ばないからでしょうか。
しかし、イタリア料理店などの飲食店様からはとても喜ばれます。
国産の鮮度の良い状態で届けられるカーボロネロを探している方はとても多いのだと思います。
そのようなプロの方向けのアイキャッチ商品の一つとしてはアリなのかもしれません。
栽培容易、営業やや難のカーボロネロ。
是非一度栽培してみてはいかがでしょうか。

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